成都には珍しい晴れ上がった天気になりました。2月の始めの強い南風が吹いて、このところ南からの風が多くなりました。今日もその風が吹いています。風が強かった翌日の朝は、露も大気の汚れも吹き飛ばされて、夜明けに星を見ることができます。但し晴れていればです。一昨日この条件が合って、久々に木星と金星を見ました。
中日友好会館に紅梅と桜の木があります。桜は八重桜とサクランボの木です。今その紅梅とサクランボの木が満開で、紅白の幕になっています。去年はじめて見た地味な桜の花に、桜といえば染井吉野をを連想する私はがっかりしました。会館の桜は原種にちかいのではないかと手紙にも書きました。4月その木に小粒の赤い実が鈴なりになりました。八重桜は、広島とほぼ同じ時期に開花します。その頃には市場や果物屋にザルに入ったサクランボが並びます。小さいながら甘くておいしい実です。
中国には桃の節句がありません。その代わり3月8日の国際婦人デーを『三八婦女節(サンバーフーヌージェ)』と呼んで女性の祭日にしています。企業では、この日女性のみ全休、又は半休させています。去年飛鳥日本語学校でも女性の先生方だけ午後休みになりました。校長先生をはじめ6名の先生方は、郊外にある三聖郷(サンセンシャン)へ行きました。ここは園芸農場の団地で、農家で食事や休憩もできる観光農園です。この日も珍しい晴天で、遅く着いた私達は、少々暑い陽気の中、食事ができる場所を探して広大な農園を一周しました。農園の庭先には桜や梅、れんぎょうが咲き、温室の中は花でいっぱいでした。数日で三八婦女節です。
先ほど李さんと28階の屋上へ洗濯物を持って上がりました。成都の街は、今日も薄い霧の中でした。東の工場地帯にある高い煙突から煙が立ちのぼり、洗濯日和を象徴するかのように、アパートの屋上にはシーツ等が白く輝いていました。そして背の低い灰色のアパート群の中に、最近建てられた高層アパートが、彼方此方に見えました。屋上は少し暑さを覚える3月4日の午後です。
3月4日 坂本静子